互いのデザインに対する考えに共感を持った、Preben Fabricius と Jorgen Kastholm。
後にタッグを解消するまでに生み出された多くの家具の中で、彼らの代表作の一つとなったのが
通称‘グラスホッパー’と呼ばれるこちらのチェア。
ポール・ケアホルムやミース・ファン・デルローエの影響も感じさせつつ、妥協を許さない
彼らの姿勢と安楽性への追及が、この名作を生み出したことは想像に難くありません。
以外にも、ファブリシャスがデザインを学んだ師はフィン・ユール。
また、フィン・ユールの家具の多くを具現化した事でその名を広く知られている家具職人、
ニールス・ヴォッダーのもとで学んだことが、彼のデザインへのアプローチに
大きな足跡を残しています。
そんな彼らが残したこちらのチェア、確かにその名の通り、バッタを彷彿とさせる軽快な
デザインと躍動感溢れるシルエットは、唯一無二。
また、その姿からの想像をさらに超える、じつに快適な安楽椅子として
日々の生活に寄り添ってくれます。
その座り心地はやはり、異なる素材を巧みに組み合わせる事で生み出されており
穏やかにしなるスチールのフレーム、張力のあるキャンバスの下地、それらと座る人をつなぐ
最高の風合い、色合いに成長したレザークッションの絶妙な掛け合いが成すもの。
これ一脚さえあれば、ソファは要らないとさえ思える。
そんなチェア、そうそう無いのでは。