台輪のような、脚付きのような。
台輪の家具は、脚付きのそれと比べてどしっとした安定感が魅力なのだけれど、その安定感を
保ちつつも脚付きの軽快感を兼ね備えるこちら。
巨匠ハンス ウェグナーによりデザインされ、木工作家でもある厳しい彼から熱い信頼を寄せられて
いたRY moblerにより製作されたシステムユニット。
スタッキングとして上段付きのタイプもありますが、
こちらは簡素な4段抽斗の下段のみのタイプになります。
ウェグナーのデザインの中にあっては直線を多用しており、扉の構成と相まって非常に
潔くシンプルな印象を受けますが、ほんのわずかに下台縁を削り込んであったり、移動の際に
損傷が出がちな脚部に本体とは異なるオーク材で強度とデザインアクセントを加えたりと、
やはりただで済ませないのは流石のウェグナー仕事。
もちろん、それを請け負うRY moblerの細やかで上質な仕事によって支えられており、
棚板をはじめ、つい手を抜かれがちな隅々まで美しさすら感じさせる丁寧な造り込み。
ある種モーエンセンのそれと近く、とても良いスタンダードとでも表現すべき魅力に
溢れています。
抽斗内寸:W935 D425 H113