JH501 / ザ・チェア
普段からhaluta家具サイトを覗いてくださっている方は、名前を聞いたことがある、名前だけは知っている。という方が多いことでしょう。
何かの写真で見たことがある、どこかで一度は実物を見たことがある。という方もそれなりにいますかね。
持っている人なら知っているよ。なんて方まで含めても、座ったことがある、自宅に持っている、この辺りからぐっと少なくなるでしょうか。
Hans・J・Wegner。常々、自分の覚えている名前の中でこれだけ口にしてきた名前も多くないな、と思います。500種類以上のチェアをデザインしてきたこの人が、自身のデザインしたJH501に対して評論した言葉は様々残されておりますが、その中で私が一番好きな言葉は、"無駄のない傑作”
一見すっと聞き流してしまいそうな言葉ですが、一度脳内で噛み締めてしまうと一つのプロダクトに対してこれ以上の賛辞はないと思える言葉を贈っています。
もはや造形物として辿ってきた歴史が完成され過ぎてしまい、正直に言えば、家で使う椅子を探しています、という方の選択肢に入る物ではない椅子。
座るだけ、という時間への対価としては少しオーバースペック。でも名のある絵画と同じように、それを眺める・共に過ごす、という時間も含まれているのだと思えば決して価格が高い贅沢品という一面だけではないのです。使用できる美術品、北欧ヴィンテージ家具に一定数あるこの概念の家具達の中でも、JH501は名付けられたその二つ名の通り、今後どこにいても普遍的なチェアであり続け、寄り添ってくれます。
商品状態は掲載写真でご覧頂いた通りの美品。背はフィンガージョイント前の初期型籐張タイプ・オーク材、座面はおそらく一度張り替えられており、初期モデルの証である座面下貫箇所への刻印も Johannes Hansen としっかり認識できる状態で残っている、グッドコンディションでございます。
現在までに雑誌、web、書籍と様々な媒体で沢山の方々がこの椅子の生い立ちや感想・評論を書き綴ってきています。なので、今更商品の詳しい背景説明をここでする必要はないと思うので割愛。
でももし、このページでこの椅子を初めて知った、なんて嬉しいことを言ってくださる方は是非店頭へお越しください。買うとか買わないなんて野暮なことは一旦置いといて。これが椅子だ、というとても大層でいながら決して大袈裟ではない名前をつけられた "JH501"という椅子に座って、一緒に長々とお話をしましょう。