ヴィンテージ家具をショップで選ぶ際のチェックポイントを解説

「一点物」との出合いを大切にする

ヴィンテージ家具の最大の魅力は、そのほとんどがその個体特有の存在である「一点物」という点です。

探していたデザイン・予算に見合ったものが見つかったときに、すぐに決められないと迷っている間に他の方が購入してしまう可能性があります。購入を検討する際は、事前に予算やサイズ、必要な機能などの条件を明確にし、迅速に決断できる準備をしておくことがおすすめです。

また、「完璧」を求めすぎないことも大事。製造から数十年が経過しているため、新品同様の完璧な状態のヴィンテージ家具はほぼ皆無といっていいでしょう。また、あなたの要望全てに応えてくれる家具も同様です。特に、表面的な小さなキズや色ムラ、経年による変化は、そのアイテムが持つ歴史や個性の一部として、少しの度量を持って受け入れる準備をしておくことが、ヴィンテージ家具を楽しむうえでの重要なポイントです。

ヴィンテージ家具のスタイルと時代を知る

ヴィンテージ家具のスタイルや製造された時代背景を知っておくことは、ご自身のライフスタイルや既存のインテリアに合う一点を見つけるための大きな手助けになります。

また、一般的に希少な木材が使われていたり、著名なデザイナーが手掛けていたりする古い年代のヴィンテージ家具は、その分価格が高くなる傾向があります。無理のない予算感も条件に合わせて頭に入れておきましょう。

オンラインショップと実店舗それぞれのメリット・デメリット

ヴィンテージ家具を購入できる主な場所は実店舗の他に、ここ数年でオンラインショップが格段に増えました。

実店舗では、ヴィンテージ家具のサイズ感や質感、座り心地を体感できる点が最大のメリットです。また、店舗のスタッフから直接、そのアイテムの歴史やリペアに関する専門的な説明を聞くことができます。一方デメリットとしては、なかなか近くに店舗がなく、遠方の場合には足を運ぶための時間や費用がかかってしまう点が挙げられます。

オンラインショップは、時間や場所を問わず、多くの商品ラインナップから比較検討できる利便性が魅力です。多忙な方や遠方にお住まいの方にとって非常に便利ですが、デメリットとしては、画面越しではヴィンテージ家具の細部まで確認できない点が挙げられますので、個別に問い合わせ可能な信頼できるショップ選びをしましょう。

それぞれの特性を理解し、ご自身の環境や目的に合わせて信頼できるショップを探してみてください。

構造・素材

ヴィンテージ家具を選ぶ際、デザインだけでなく、その家具の「骨格」が健全であるかを確認することは、永く安全に使用するために不可欠です。

椅子やテーブルを選ぶ際に、まず構造的なぐらつきがないかをチェックしてください。接合部が緩んでいないか、ネジやダボがしっかりと機能しているかは、使用中の安全に関わる重要なポイントです。

また、素材である木材の状態も同様です。乾燥によるひび割れや、虫食いの跡がないか、また、大きな欠けや補修跡が目立たないかを確認しましょう。

リペア・修復の有無

ヴィンテージ家具は、販売される前に専門家による適切なリペアや修復が施されているかどうかが、その後の使用期間や安全性に大きく影響します。

ショップが家具にどのような修復を施したか、その有無や、写真で詳細がわからない場合は気軽に尋ねてみてください。

サイズと配置

どんなに姿が気に入ったヴィンテージ家具でも、自宅の空間に合わなければ快適に使用することはできません。テーブルや棚などの大きなアイテムを購入する際は、必ず事前に設置場所の幅、高さ、奥行きを正確に採寸してください。さらに、ヴィンテージ家具は分解できない構造が多いので、玄関や廊下、階段などに運び入れる経路が十分あるかなども、事前にチェックしておくとスムーズ。

ヴィンテージ家具のサイズだけでなく、配置した際の圧迫感や他のインテリアとのバランスも考慮しておきましょう。例えば、背の高いキャビネットや大きなソファは、空間に対して占める割合が大きくなるため、事前に写真などでシミュレーションを行うことがおすすめです。

日常的なお手入れの基本と注意点

日々の少しの気遣いが、家具の寿命を大きく左右します。まずは特別な道具を使わずに、どなたでも実践できる基本的なお手入れ方法を知っておきましょう。

ホコリの除去と乾燥への対策

木製家具の基本的なメンテナンスは、乾いた柔らかい布で定期的にホコリを拭き取ることです。ホコリを放置すると、木材の表面に傷をつけたり、汚れの定着につながったりします。また、木材は湿度や乾燥に敏感です。直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所への配置は避け、急激な温度変化や乾燥から家具を守ることが、ひび割れなどを防ぐ重要なポイントとなります。

水濡れと熱への注意点

水滴や熱いカップなどを直接置くと、シミや輪染みの原因になります。コースターや鍋敷きを使用し、水濡れした場合はすぐに拭き取ることが大切です。特に、オイル仕上げの家具は水分を吸い込みやすいため、日々の丁寧なチェックを心がけるようにしましょう。

専門家へ相談するタイミング

日々のメンテナンスでは対応できない、構造的な問題や大きな損傷が生じた場合には無理をせず専門家にリペアを依頼することが賢明です。

椅子に大きなぐらつきが出た場合や、木部に深い亀裂が入ってしまった場合は、専門的な技術を持つヴィンテージ家具ショップやリペア工房に相談してください。自己流の修理は、かえって家具の価値を損ねたり、安全性を低下させたりする可能性があります。クッション材など消耗品の交換を検討している方も、まずは相談してみてくださいね。

Q．ヴィンテージ家具を買うときの重要なポイントはなんですか？

A．その個体との出合いは「一点物」であるという特性を理解し、タイミングを大切にする心構えを持つことです。

Q．ヴィンテージ家具を買うときは、どこをチェックしたらいいですか？

A．構造的な健全性をチェックすることが最も重要です。具体的には、椅子やテーブルのぐらつきがないか、接合部が緩んでいないかを確認しましょう。

Q．自分でできる日常的なお手入れはありますか？

A．まずは、乾いた柔らかい布で定期的にホコリを拭き取ることが基本です。また、直射日光やエアコンの風を避けて配置し、水濡れや熱いものを直接置かないようにすることが、家具の劣化を防ぐ重要なコツとなります。